目次
ストレスチェックと健康診断の基本
ストレスチェックと健康診断は、目的や内容が異なります。まずは、それぞれの概要を確認しましょう。
ストレスチェックとは
ストレスチェックとは、ストレスに関する質問票に従業員が回答し、その内容を集計・分析してストレス状態を調べる検査です。質問票は選択式で、従業員が自分で記入します。
ストレスチェックは、主にうつなどのメンタルヘルス不調を未然に防止する目的で実施されます。
関連記事:ストレスチェックは会社の義務!対象者や実施の流れを解説
健康診断とは
健康診断は、診察や検査を通して従業員の健康状態を全体的に調べる取り組みです。労働安全衛生規則では、事業者に対し、常時使用する従業員に1年以内ごとに1回、医師による健康診断を定期的に実施することが義務付けられています。
法律で定められている健康診断は、定期健康診断だけではありません。主に次のものが定められています。
- 雇入時の健康診断
- 定期健康診断
- 特定業務従事者の健康診断
- 海外派遣者の健康診断
- 給食従業員の検便
- 特殊健康診断
関連記事:健康診断は会社の義務!目的や内容・罰則について解説
ストレスチェックと健康診断の違い
ストレスチェックと健康診断は、実施の義務や頻度など、法律上の定めも異なります。違いを表にまとめました。
| ストレスチェック | 健康診断 | |
|---|---|---|
| 実施目的 | ストレスに関する状態の把握 | 身体の健康状態の把握 |
| 実施義務 |
常時50人以上の従業員を使用する事業場は義務 50人未満の事業場は努力義務(2028年4月1日から義務化) |
事業場の規模にかかわらず義務 |
| 実施頻度 | 1年以内ごとに1回 |
定期健康診断は1年以内ごとに1回 特定業務従事者は6か月以内ごとに1回 |
| 対象となる従業員 | 常時使用する従業員 |
常時使用する従業員 (健康診断の種類により異なる) |
| 従業員の受検義務 | なし | あり |
| 結果の取り扱い |
実施者から従業員本人に直接通知する 本人の同意なしに事業者には提供できない |
事業者が結果を受け取り、従業員本人に通知する |
| 結果の保存期間 |
本人の同意を得て事業者に提供された結果は、事業者が5年間保存する 同意がない場合は、実施者などが5年間保存することが望ましい |
健康診断個人票を5年間保存する (特殊健康診断は種類により異なる) |
※2026年9月時点の法令・厚生労働省の資料をもとに作成
ストレスチェックと健康診断は同時に実施しても問題ない?
ストレスチェックと健康診断は別の制度であるため、健康診断の実施結果をストレスチェックの実施結果の代わりにはできません。
ただし、実施時期や従業員への案内の時期を揃える対応は問題ありません。同時に実施する場合、ストレスチェックの調査票と健康診断の問診票を区別するなどの措置が必要になります。問題ない例・問題となる例は次のとおりです。
| 問題ない例 | 問題となる例 |
|---|---|
|
|
従業員には健康診断を受診する義務がありますが、ストレスチェックを受検する義務はありません。健康診断と合わせて受検を強制する扱いにならないよう注意しましょう。
ストレスチェックと健康診断を同時に実施するときのポイント
ストレスチェックと健康診断を同じ時期に実施する場合は注意すべきポイントがいくつかあります。実施時期を揃えて、運用を効率化するためのポイントを解説します。
各制度で必要な対応や手続き、業務フローを整理する
実施や作業をまとめることを前提に考えると、まとめられない項目もまとめてしまうおそれがあります。結果として、法令違反や従業員とのトラブルにつながる可能性もあるでしょう。
効率化のためにまとめたつもりが、かえってリスクになっては本末転倒です。まずは、それぞれの制度で義務付けられている事項や必要な対応・手続きの違いをおさえましょう。
次に、各制度の業務フローを確認・検討し、まとめても問題ない箇所を確認します。同時に効率よく実施できる作業の明確化が大切です。
同時にできる作業は実施タイミングを揃えて効率化する
ストレスチェックと健康診断には、似通った作業や、同じタイミングで実施すれば効率化できる作業もあります。次の作業は、まとめて実施すると効率化につながります。
- 従業員への案内
- 書類の回収
- 受検・受診後の従業員へのフォロー
ただし、案内文や回収する書類は制度ごとに分け、それぞれの目的がわかるようにしましょう。
結果データは分けて管理する
健康診断の結果は、就業上の措置などに必要な範囲で、従業員の同意なしに事業者が確認できます。一方、ストレスチェックの結果を確認するには、従業員本人の同意が必要です。
2つの結果データを一緒に管理すると、従業員の同意を得ていないストレスチェックの結果を、人事担当者が閲覧してしまうおそれがあります。こうした事態を防ぐため、健康診断とストレスチェックの結果データは分けて管理しましょう。
同時実施で業務の集中や遅延が起きないか確認する
ストレスチェックと健康診断を同時に実施する場合は、業務の集中や遅延が起きないかも確認しましょう。作業をまとめて効率化できる点にはメリットがありますが、実施時期を同じにすると業務が同じ時期に集中しやすくなります。
特に管理部門の人員が限られる中小企業では、人事担当者が対応し切れなくなる可能性も考えられます。同時に実施してかえって業務の集中や遅延を招かないよう、社内体制などを事前に確認しましょう。
代行機関を活用して実施担当者の負担を軽減する
社内での対応が難しい場合は、健診代行機関やストレスチェック代行機関の活用が有効です。代行機関には、次の業務を依頼できます。
| 健診代行機関 | ストレスチェック代行機関 |
|---|---|
|
|
※対応範囲は代行機関やプランによって異なるため、事前に確認してください。
代行機関を活用すると、煩雑な事務作業が減り、人事担当者の負担軽減につながります。専門的な知見をもつ機関に任せると、法令に沿った運用をしやすくなる点もメリットです。
結果データを代行機関のシステムで管理すれば、健康診断とストレスチェックの結果も分けて管理しやすくなるでしょう。
ウィーメックスでも、健康診断とストレスチェックそれぞれの代行サービスを提供しています。人事担当者の負担軽減を検討している場合は、ぜひご覧ください。
ストレスチェック・健康診断を活用して従業員の健康を促進しよう
ストレスチェックと健康診断は、従業員の健康を守るための重要な制度です。ただし、実施義務や対象者・結果の取り扱いなどはそれぞれ異なります。
2つの制度は、同じ時期に実施しても問題ありません。案内や書類の回収など共通する作業のタイミングを揃えれば、効率的に運用できます。一方で、調査票と問診票を区別し、結果データは分けて管理する必要があります。
社内での対応が難しい場合は、代行機関の活用も検討しましょう。それぞれの制度を正しく理解し、従業員の健康促進に役立ててください。
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